永住権(グリーンカード)申請の面接の中に、この質問があります。(聞かれない可能性もあります。)
米国市民と結婚されて永住権を申請されている場合、面接はカップルで受けます。仮に、ご主人が米国市民で奥様が日本の方だとします。そして奥様は今回のご結婚が二度目のご結婚だとします。
「これまでに何度結婚しましたか」と日本語で聞かれた場合、奥様はなんと答えるでしょうか?
一度? 二度?
私の経験では「一度」と答えられる方が少なくないようです。でも面接官が期待している返答は「二度」です。その理由を説明します。
この質問の原文は How many times have you been married? です。
これは普通、「これまでに何度結婚しましたか」と訳されます。日本語訳として間違っているとは言えないでしょう。でも実際には、この日本語訳はミスコミュニケーションを生む場合があります。
英語の、How many times have you been married? は、今現在のこの瞬間までに何度結婚しましたか、と聞いています。今回が初婚なら一度、二度目の結婚なら二度、です。
でも日本語では、「これまでに何度結婚しましたか」は「過去に何度結婚しましたか」と同じように聞こえます。日本語で「これまでに」という時の「これ」にはピンポイントの今この瞬間だけではなく、もっと長い時間が「現在」として含まれているように思います。現在の結婚相手と同席している面接のような場面で「過去に何度結婚しましたか」と聞かれれば、一度、と答えても当然でしょう。
質問した人は「二度」という答を期待しているのに回答者が「一度」と答えてしまう、このミスコミュニケーションを回避するためには、質問の日本語訳を「今この瞬間までに何度結婚しましたか」とか「今回のご結婚を含めて、これまでに何度結婚しましたか」とする必要があります。
USCISの面接は基本的に、申請者が提出した申請書の内容を本人から口頭で確認するものなので、口頭での返答が申請書と異なるのはまずいです。「ん? 今回の結婚を含めてですか?」と正解に導いてくれたり「今回はあなたの2度目の結婚ですよね?」と聞き直してくれる担当官もいますが、人によっては「申請書に書いていることと違いますよ? 訳を説明する文書を書いて提出しなさい。」となってしまう場合もあります。
「これまでに何度結婚しましたか?」という一般的な日本語訳でこの質問を通訳されたら、This is my second marriage. というように答えるのも一手です。この質問に限らず、申請書の内容をおさらいしてしておくことをお勧めします。